舌癒着症とは?
舌癒着症とは、名前の通り舌が癒着、つまりくっついている病気です。
普通の人でも舌の裏側と口の中の底が舌小帯というものでくっついています。
しかし、舌癒着症の赤ちゃんは、舌小帯がとても短いあるいは無いので、舌と口の中の底がくっついているように見えるのです。
日本をはじめ欧米諸国の多くでは、舌癒着症は病気ではなく、生まれながらの軽い奇形のようなものと考えられることが多いです。
つまり赤ちゃんの舌が短く見えるけど、それだけのこと。
何の症状もなく、赤ちゃんの成長に何の問題もおこさない事が大半と考えられています。
しかし、日本や欧米の一部の医者は舌癒着症が様々な症状を起こすと考えています。
実際にそれを裏付ける研究、手術結果も少数ながら報告されています。
舌癒着症の問題点
現時点の日本では、舌癒着症は病気ではないことが圧倒的に多いもの、と認識されています。
病気でないものの医学的な情報はとても少なく、一般の方が舌癒着症について調べようにも情報が不足しています。
我が子が舌癒着症となり医学生時代の小児科の教科書や小児科の大家が編集した書籍などを調べましたが、あまり情報がありませんでした。
YahooやGoogleで検索してもほとんど情報がありませんでした。
Wikipediaの英語での説明文が唯一しっかりした情報を提供していました。
このため、医療関係者専用の情報検索システムで検索して、舌癒着症の情報を入手しました。
具体的には、医中誌、Pub Medといったところです。
(アブストラクトまでなら無料で手に入れられるので、興味のある方は調べてみてください。)
医者や歯科医くらいしか手に入れることのできない本物の医学情報です。
一般の方ではなかなか情報を集めることもできませんし、集めた情報を読み解くこともできません。
このため、一般の方向けに舌癒着症の情報をまとめてホームページで公開しています。
多くの舌癒着症の情報を求める方のお役に立てればと思います。
舌癒着症の画像
舌癒着症の特徴が一目で分かる画像を紹介します。
御自分の赤ちゃんの舌を確認するときの参考にして下さい。
ただしプライベートな画像を多くの方の役に立てればと思い載せているだけですので、他のサイトへの転載など著作権に違反するような行為はお断りします。
あっかんべーをした時に、舌が十分に前に出ません
あっかんべーをした時に、舌がハート型になります。このハート型は舌癒着症の特徴です!!
口をあけた時に、舌小帯がとても短いです。
以上3点に注意して下さい。
特にハート型の舌の写真は、基本的に舌癒着症と診断していいと思います。
専門の医療機関にかかることをお奨めします。
当サイトの考え
この情報サイトに書かれていることは、向井診療所の向井將先生など舌癒着症治療推進派の方々の意見を多く取り入れています。
つまりどちらかというと向井將先生らを支持する視点で書かれていることが多いです。
理由は2つあります。
1つ目は、医者としての批判的な目でみてもわが子への手術は効果があったと感じたからです。
2つ目は、向井先生ら治療推進派の新しい考えくらいしか提供する情報がないからです。
従来の考え方だと、赤ちゃんが生きていて、大きくなってきているなら様子をみましょう。
幼児が舌っ足らずでも、大きくなれば治るはずだから様子をみましょう。
くらいだからです。
治療推進派の新しい考え方がすべて正しいかは分かりませんが、ある程度説得力があるのも事実なので、一般の方も知る価値があると思います。
しかし、推進派の意見のみを取り上げていては、客観的視点を欠いた情報サイトになってしまうので、なるべく従来型の考え方、つまり小児科学会などの意見も取り上げています。
舌癒着症に対する多数派の意見、治療推進派の意見を、可能な限りくらべることによって、より一層客観的な情報を提供できると考えています。
舌癒着症という病気、治療についての最終的な判断は皆さんで行って下さい。
またこのサイトは、日頃骨身を削って小児医療を支えている小児科の医者を貶めたり、非難したりするものでは決してありません。